猛暑と電力事情　おやじのひとりごと（91）

突然の記録的な早い梅雨明けと同時に、これまた記録的な猛暑が続いている。
その結果として連日熱中症で救急車で搬送される患者はこれまた全国で記録的な数にのぼり、毎日のように何人かが命を落としている。
屋外だけでなく室内で倒れる人も少なからずあり、テレビやラジオなどのマスコミでも「水分を補給したうえで、クーラーをつけるなどして暑さ対策に十分注意して下さい」と連日のように呼び掛けている。
私自身のことで言えば、就寝時にクーラーをつけっぱなしにしておくことなどなかったのだが、今年のこの猛暑ではクーラーを切って眠りに着いても1〜2時間で寝苦しさで目覚めてしまい、だからと言って幹線道路の交差点わきにあるマンションでは騒音で窓を開けておくこともできず、今は設定温度を30℃にしてつけたままにしているが、これは我が家だけのことでなく、早朝に仕事に家を出るとき、マンションのどの部屋でもクーラーが作動しているのが目につく。
福島の原発事故が起きた２年前の計画停電が実施されていた頃だったらどうなっていただろう。

あれから２年４ヶ月、この猛暑の中でも節電の呼び掛けはあまり聞くことがない。
電力が充分に足りているということなのだろうか？
しかしそんな中、これだけの悲惨な甚大な被害をもたらした原発事故を目の当たりにしても、東京電力をはじめとする電力各社は原発の必要性を声高に叫び再稼働を要請し「そうでなければ電気料金を大幅に上げざるを得ない」と開き直りとも脅しともとれる発言を繰り返す。
データの改ざん、やらせ発言、証拠隠しなど、政府も一体となって推し進めようとするかのような現状は「素人考え」と言われてしまうかもしれないがどうしても理解できない。
原発を設置するためにその地域に投じる膨大な資金、そして稼働すれば完璧なメンテナンスにかけなければならない削ることのできない資金、ひとたび事故を起こせばその保証を含め廃炉に至るまでのさらなる膨大な資金と時間・・・・
利益の追求を使命とする企業の立場から考えても、原発の存続が有効とはとても考えにくいのだがやはり「素人考え」なのだろうか。

しかしこの猛暑の中、「節電」を呼びかけることなく熱中症対策に「クーラーを使うこと」を呼びかけられる電力事情は「素人考え」でも理解できる。
ひとつにはＬＥＤ電球に代表される家電機器の企業による節電化の進歩。
屋根や空き地などに設置する太陽光発電の効率化の進歩と普及により、一部には自身の電力を賄うだけでなく余剰電力を売ることまで現実になったこと。
国民の意識の中に「節電」の意識が根づき、企業には節電はもちろんのこと、万一のときにも生産を続けられるように自家発電などのあらゆる対策を講じていること。
そしてさらなる「節電」「発電」の効率化のために、国の政策の一歩先を民間が自身の足で歩を進めていることだ。
原発事故の後、「おやじのひとりごと」でこの自分の想いを書いたが、もう一度あらためて書かせていただく。

『民主だ自民だ管おろしだと目先のいざこざにはもううんざりだ！
誰でもいい、今すぐ原発を全廃することは無理なのは承知しているが、少なくもクリーンな自然エネルギーにシフトしていく道筋をはっきりと早くに示してほしい。
太陽光、風力、波力、地熱・・・・・
ほかにもたくさんの発電方法は考えられているし、国がしっかりと腰を据えて取り組めば今より数段の高い効率を得ることができるのはまちがいない。
原爆や宇宙ロケットなどのように、戦争の名のもとではあらゆる英知と資金をつぎ込み不可能を可能にしていく。
クリーンな自然エネルギーを人類が手にするための取り組みを、平和のための「戦争」と位置付け、世界各国がそのために競えないだろうか・・・・
そうすることができれば、必ずや夢を実現することが可能になるはずだ。
武力によって資源を取り合う時代に終止符を打ち、自然の恵みの中で喜びを分かち合うことのできる時代が来ることを夢見たい』

今、何よりも大切なことは、国の指導者が自信と誇りを持ってクリーンエネルギーへの長期的な道筋をはっきりと指し示すことだと思う。
２１日、参院選の国民の審判が下される。
人それぞれに考え方がちがうのはもちろんのことだが、いずれの道を選ぶにしろ、他の誰のためでもなく、自分自身のために自分の将来を自分の一票で指し示すことが大切なことだ。

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